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書評:O'Reilly Media、SDN: Software Defined Networks - An Authoritative Review of Network Programmability Technologies

SDN: Software Defined Networks

SDN: Software Defined Networks

会社の図書施設に購入リクエストを投げたら買ってくれたので、レビューしてみます。


■基本情報

  • 出版社:O’REILLY MEDIA
  • 著者:Thomas D. Nadeau、 Ken Gray(Juniper社プラットホーム開発部所属)
  • 紙の本の長さ: 386 ページ
  • 価格(Kindle):¥ 2,927
  • 価格(PB *1 ):¥ 6,311 *2


本著は、基本情報にもあるJuniper社のSDNの一人者によって書かれた書籍であり、
当然SDNについても詳しく書かれているのだが、既存のネットワークのプログラム制御(Programmability)についても
幅広く解説した書籍でもある。

既存のネットワーク技術に触れながらその問題点を指摘し、SDNならこうであろう、と言った観点や
SDNの登場人物である、コントローラー、スイッチ、NFVの役割と現在の実装のアーキテクチャにも触れている。
また、後半部分では実際にありえる複雑なユースケースを例に挙げて居るため、非常に有用な書籍である。



オススメしたい読者を上げるとすると、ネットワーク技術者・ソフトウェア技術者どちらにも読んでもらいたい内容ではあるが、
それよりもSEが全体像を把握する為の書籍として抑えておいて欲しい事が書かれている。
そして、なにより今まさに大規模のネットワークの効率化をソフトウェアで出来ないか?また実現手法は?と検討している人にとって、
うってつけの書籍だと考えられる。



ジャンルを挙げるとすれば、読み物+技術調査報告書と言った物と捉えて手にとって欲しい。
これだけの幅広い内容が詰まって、1万円を切るのであれば(電子書籍なら3千円!)
なんたら報告書を数万円で買うことに比べればとても安い。

友人も苦慮していたが、市場調査報告書やらこんな感じの事をすれば楽になるよ、の様な社内報告書は上がってくるのだが、
中々具体的には、までリーチしない報告書がとても多い。
そんな中で、こういった具体的な手段までが書かれている報告書(書籍)は稀であり、有用だと考える。


また、ソフトウェア技術者として見ても、非常に勉強になる。
オープンソースのコントローラの内部実装や使われている技術用語を抑える事ができる。
また、非常に汎用的なフレームワークを使っているのが見て取れるため、
その技術を持っている人からすれば、仕事に繋げやすいのでは無いかと思われる。
また、全く知らない人も技術用語を抑える為にも、分からないなりに目を通して欲しい。(切実





私自身は、本書籍を元に、既存のレガシーネットワークでの自動化・効率化等を考えてみたい、と言うか考えなければいけないので、
Network Programmabilityという点で非常に助かっており、この本を元に策を練っていこうと考えています。
# ここでどこまで共有できるかはわかりませんが

仕事としても、こういった領域の話をできる会社さんは探していたりはするのですが、なかなか難しいですね。


社内にもこんな感じで情報共有したいけど、その前に日本語化してくれないものか。
と言うか、翻訳させてもらえないのかな?

企画の持ち込み方誰か教えてください。

*1:ペーパーバック

*2:2013/11/20現在の価格